何故プロダクトアウト商品はダメな事が多いのか?

2018年2月9日

ビジネス 日記

企業のERPで使われているアプリケーションは、非常に使いにくいものが多いという印象があります。 これらの使いづらいアプリケーションの特徴について、以下のようなパターンが考えらます。
・VBや.NETで作られたwindows専用アプリケーション ・入力項目とボタンで埋め尽くされている画面 ・アプリケションの随所に「マスターメンテ」という言葉が記載されている ・表示されるウィンドウの数が多い ・使われている単語がよく分からない
何故、ERPはこうした使いづらいアプリケーションの場合が多いのか気が付いていない人も多いと思うので、考えてみましょう。

プロダクトアウトとマーケットインの考え方

これらの単語が難しいと思う人は、以前書いた記事を読んで参考にしてください。 プロダクトアウト、マーケットインの考え方 プロダクトアウトは、高度経済成長の日本という文化でしか通用しなかった押し付けの商品なんですね。 そして、最近のアプリケーションの特徴を分類して考えてみると以下のような特徴がみられます。

プロダクトアウトの特色

・「何でもできる」という説明(「痒いところに手がとどく」とも言われる) ・データベース構造が複雑でエンジニアでないとまともに運用できない ・画面が質素 ・製作者が自画自賛 ・説明書が無いとそもそも操作ができない ・不具合なのか、仕様なのか分かりづらい

マーケットインの特色

・ユーザーから「使いやすい」という言葉が出る ・導線のフローがマニュアルがなくてもわかりやすい ・デザインに拘る
【注意】あくまで私の個人的な印象を元にリストアップしているので、そうではないと感じる人がいたら、補正したつもりでお読みください。

何故プロダクトアウトがダメなのか???

プロダクトアウトが100%駄目という訳ではなく、最近良く見る駄目な製品がプロダクトアウトのものが多いという事です。 それらを掘り下げて見ると、「利用ユーザーのイメージができていない」「ペルソナが定まっていない」という事が多く、ユーザーが製品に対して納得できていないケースがそれです。 だた、エンジニアが良かれと思って作っている製品という事で、「非常に想いの詰まった製品」という表現をする場合もあり、一見良さそうに思えるが、ユーザーの事など何も考えられていないという結果になってしまっている残念なケースが多いのですね。 何故こんなケースが増えているかというと、製品を開発するプロジェクトで、ユーザーニーズを聞く担当者と、製造開発をする開発者が、セグメンテーション的に分けられてしまっているからなんですね。 こうしたセクションの担当者同士が、仲が悪いという会社などは、致命的でしょうね。 もちろん、ユーザーに直接触れない開発者でも、マーケットインの思考を持っている人はたくさんいます。 今一度、自社の開発部門のスタイルを確認してみてはいかがでしょうか? 技術的理由で物事が決まって行くスタイルの会社は、結構プロダクトアウト傾向ですよ。

何故ERPがプロダクトアウトなのか???

僕の考えるもっともプロダクトアウト思考が出ているシステムは、それぞれの会社で使っているERPシステムだと思います。 これらは、色々な会社で使っているクラウドサービスのようなタイプから、会社専用に作られた、専用システムまで様々なものがありますが、ここで言っているシステムは「専用システム」の事です。 どこの会社に行っても、デザイン要素の無い、入力欄とボタンが大量に配置されている質素なシステムで使っているのを良く見ます。 そして、最近入った新人たちが、その使いづらいシステムに対して愚痴っている風景も、今時なのかもしれません。 よくある声として、「Photoshopのアプリケーションだと、失敗した時に、CTL+Zでやり直しができるのに、システムで入力間違いをした時にまた一から入力しなおさなければらなないのは、効率が悪い。」 これは、結構色々な場所で聞きますね。 システムでは、一度データベースに登録してしまったデータを簡単に修正、削除するという事が非常にめんどくさいのですね。 エンジニアとしてよくわかるのですが、ここにマーケットインとプロダクトアウトの決定的な思考の差が生まれています。 ユーザーは使いやすくなってくれればいいし、技術的に可能であろうという根拠の素で言っているのだが、開発する側は、「めんどくさい」という言葉こそ発しないものの、技術的にどれだけ大変かを力説するケースが多いと言う事です。 システム構築を外部の業者に頼んでいる場合などは、その会社ぐるみでの力説が行われてしまいます。 そもそも、業務アプリ専用SEが仕様を全て決めている事が多い、業務用システムですが、利用者はSEの言いなりになるケースがほとんどです。 SEは、開発をするのが仕事なので、必要最低限のできるだけ少ない工数で開発を進めるという裏ミッションを持っていることもあるし、 その会社の本業を理解していないSEが数多くいることも良くあることです。 とにかく、使いやすいERPというものを見た事が無いので、そういう視点でのSIerが増えてきたら、日本のビジネスも変わるんじゃ無いかと思いますよ。

どうすればいいか、モノ作りの思想

実際に、どういう思考で開発すればいいのかと言うと、それは広い思考を持ったエンジニアがいないと不可能であると言い切れます。 実際に設計しているのがSEであれば、SEの力量に委ねられてしまいますが、世の中の何がイケてて、何がイケてないかを理解しなければいけないのですが、 こうしたことに最も長けている人たちは「UI/UXデザイナー」と呼ばれている人たちでしょう。 とにかく日本は、こうしたデザイン面が弱く、他国では、学問として学習している国もある中、日本国内では、しっかりしたデザイン理論を持たないエンジニアが最先端の設計を行なっていると言う現実がまずい訳ですね。 公開されているWEBページで、イケてるページを分析してみるといいでしょう。
何故、イケているのか? どういうレギュレーションなのか? 他で流用するにはどうすればいいのか?
など・・・学べる事はたくさんあります。 そもそも、技術などは、ユーザーにとってはどうでも良く、便利に使えさえすれば、C言語で書かれていようが、PHPで書かれていようがどうでもいいことの方が多いはずです。 こうした事を理解したSEや開発担当者がいるといないとで、結果が大きく変わってくるという事を理解すれば、どういう人がモノつくりする人に向いているかがわかってくるはずです。 はっきり言える事は、「技術力が高い人が、モノ作りする最高の人では無い」という事ですね。 こうした事を考えて改めて、Goodデザイン賞を見て、モノ作りに向いている人を見極めてみてはいかがでしょうか?

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