ディスコ社の社内通貨willは素晴らしすぎる会社の制度。もっと世の中に広まればいいのに・・・

2018年9月18日

ビジネス レビュー

企業のエンジニア部門コンサルティングを行なっている時に株式会社ディスコさんの話を耳にしました。 https://www.disco.co.jp/jp/ 今時のIT企業という訳ではなく、製造加工を主としたメーカーなのだそうですが、とても面白い人事制度を実施した事でYahooニュースにも取り上げられた会社なのです。 https://news.yahoo.co.jp/byline/yatsuzukaeri/20171222-00079560/ 数年前には、厚生労働省の「働きやすい企業」の最優秀賞ももらっているとのことで、こうした会社をきちんと知らなかった事が少し恥ずかしかったので、少し掘り下げて分析してみたいと思います。

ディスコ社の社内仮想通貨制度について

https://news.yahoo.co.jp/byline/yatsuzukaeri/20171222-00079560/ ディスコ社の独特な社内制度は、上記のURLで紹介されているのですが、「社内通過」という制度が極めて素晴らしく、数多ある会社が課題としている「従業員モチベーション」とか「自己教育の促進」とか「会社の経営を自分ごととして考える」という観点を一気に解決する素晴らしい手段として認識する事ができました。 簡単に説明すると、会社内での作業依頼や、会議室利用といった、会社外では有料が当たり前出会った事が、社内では担当者がやるのが当たり前という事でお金の意識がなくなってしまいがちなのですが、それらを全て社内通過という単位で有料化し、自分の仕事の原価として考えるやり方で、そこできちんと利益を出すという事が重要になるという制度だそうです。 ※詳細は、説明ページをご覧ください。 ディスコ社will通過の構造 ここで考えたいのは、この取り組みをすることによって、会社にもたらされる良い効果は考えてみると非常に大きく、従業員が自分のためと思って活動する事が全て会社のためになるという素晴らしい組織構造が生まれるわけです。 これまで僕は、組織は宗教活動のように、啓蒙思想を持たなければ、従業員は経営者の後をついてこないという風に考えていたのですが、そうした固定概念を全て覆され、さらに間違いない組織が構成できるという感覚まで植えつけられてしまいました。

普通の会社が社内通過制度を導入するとどうなるのか?

ディスコ社は、この社内通過willという制度を社内で専門部署を作り企画・運営をしているそうですが、多くの会社がそうした部門を持つことは難しいでしょう。 でも、考えるだけならタダでできるし、この素晴らしい制度を普通の会社が入れるとしたらどういう所に気をつけるべきかを思考してみたいと思います。 まず考えたいことは、will通過は、会社の部門に対して発行され、自分の所属する部門でそのwillで利益を出すように、コスト管理と多部署とのやりとりを行い、部門での利益が本来の会社の評価と繋がる事が目的になります。 また部門内で個人にwillを配る事で仮想通貨を運転予算として個別運用する事にもなります。 具体例としては、営業部門が特定の顧客からもらってきた小さな案件を、製造部門の人に片手間でお願いするようなケース、色々な場面で見かけますが、これらも全てwill通過を使って、やりとりする事で、これまでは、めんどくさいと考えられていた製造部門の人でも、利益として考えられるようになり、仕事にも精がでるという構造になります。 ただし、いいことばかりではなく、こうした制度を通常の会社が導入するとどういうことになるのかを少しネガティブですが考えてみると、 まず、自部署の利益を追い求めるが故に、多部署の事を思いやらないいわゆる「セグメンテーション」の思考が強くなりがちかもしれません。 また、社内間で部門毎に競争が発生して、多部署の足を引っ張る行為をするものも出てくるかもしれません。 悪く言うと、同じ会社なのに、敵視する見方をする人が出てくる可能性もあるという事ですね。 また、会社内におけるボランティア活動などは、利益に繋がらないため、誰もがやりたがらなくなる傾向も生まれるかもしれませんね。 こうしたネガティブ要素は、対会社間で発生しがちな問題ですが、それが部門単位で発生してしまうかもしれませんが、実はここがポイントで、そもそもこうした問題は制度ではなくヒューマンスキルの問題であるため、会社内でしっかり教育をしなければいけないという事だと理解しなければいけません。 ディスコ社では、こうした対応については、きちんと「信頼関係」を築く事が重要という風に認識しており、そうした教育を施しているようです。

この制度で得られる効果

ディスコ社は、この社内通過willという制度で以下のような効果が得られると言っています。
1. 社員のパフォーマンス向上 2. 業務の洗練 3. コスト意識の向上 4. リソースの最適配分 5. イノベーションの活性化
どれも通常の会社の課題の上位に上がりがちな項目だし、これらを一つずつ解決するのも非常に困難なのに、一気にこれだけ解決するという素晴らしい制度なんですね。 他にも、「経営意識がつく」とか「指示待ち状態が減る」など、かなり革命的に会社内が向上する事が容易に予測できます。 前いた会社で、こうした課題に悩んでいた時に、この制度の事を知っていたら、TRYしていたかもな〜。 会社が大きくなる時には是非こうした思考で社内文化を構築してみるという非常に良いアイデアを教えてもらえて、非常に勉強になりました。
  • T
    2022/04/15 at 20:10
    この記事とても共感できました。 書いてある内容が自分が思っていた内容とドンピシャでした! とよく考えて書かれていて、書いている人に好感が持てますね。 これからも、良い記事をたくさん書いてください。応援しています。

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