天才といえばアインシュタイン、成功した経営者は神扱い、偉人の格言を読むだけの本かと思ったら、天才と凡人を比べるだけの書籍でした。
でも僕の本の読み方として、面白いつまらないという軸ではなく、この本から何が得られるかという視点で読んでみたいと思います。
内容簡単紹介
第1章 【問題解決法】手段を用いて、早期に問題を解決する
第2章 【目標達成法】ムダに競争せずに、目的を実現する
第3章 【時間術】脳を使いこなして、時短を可能にする
第4章 【仕事術】自分主導で物事を動かし、表向きはサポートに徹する
第5章 【思考の基本】やりたいことを実現するのに迷わない
見出しを見るとその辺のビジネス書となんら変わらない内容です。
おそらくこの本を読んで参考になる人のペルソナは、サラリーマンの若手から中間層ぐらいで、仕事に行き詰まって悶々として日々を過ごしている人という感じです。
確かに天才と言われる人と、凡人では、思考は全く違っているので。その差を誰もが経験しそうなサンプルを用いて説明しているという構成になっています。
間違えてはいけないのが、この本を読んでも「天才」になることはできません。
僕が個人的に、この本で面白かった内容は以下の4つです。
1. 判断する時の5つのチェックリスト
1. 損か得か
2. 続けるか続けないか
3. 好きか嫌いか
4. 合うか合わないか
5. 既知か未知か
筆者は、なにか判断する時にこの5つのうち、3つ丸が付いたら「やる」そうでなければ「やらない」と判断するようです。
確かにこうした自分ルールを決めておくと物事の判断はすばやくできると思いますが、これはあくまで筆者の人のチェックリストであり、自分でこうしたルールを作っておくという事がいいのかもしれませんね。
でも、判断する事って他の基準が必要な場合もあるので、こうしたルールをそのまま適用していいのかも判断する必要がありそうですけどね。
2. 成功は再現性が重要
よくPDCAを回すと言う成功法がありますが、失敗を繰り返さずに改善するという前向きな方法なのですが、成功の再現性をきちんと理解するというのは、非常にいい思考だと思います。
自分ができることは誰でもできると考えるのが普通の人ですが、人のレベルによって「できる」「できない」という事は普通にありますよね。
それを「誰でもできる」という理論を作り出すことができる人は、常に成功する理論を確立できる人であるとも言えそうです。
成果=効率×時間
この本の中で何度も出てくる呪文ですが、普通は「成果=作業×時間」となるところを「効率」にしている点が一歩上を行っていますね。
世の中の全ての行動に効率を求める事は、何にも悪いことはないのですが、他人にそうした効率を求めることは迷惑になることの方が多いので、要注意。
確かに天才と言われる人は、そうした自分を疑わず、他人にもそれを強要したがる人も多く、自分は良いけど他人が良いとは限らないという基準かもしれませんね。
でも効率は重要です。
3. 思考のブレーキ
普通の人は思考にブレーキをかけがちだが、天才はブレーキを掛けずに常に探究心を持ち続けるのだそうです。
これは欲求と探究心の兼ね合いなのですが「自分はここまでしかできない」というブレーキがどのレベル化によって天才なのかどうかが決まってしまうようです。
会社という組織では、こうしたレベル差が当たり前のように生まれるので、天才は足を引っ張られ、普通の人は憤りを感じてしまうんでしょうね。
4. 未来予測
この思考は個人的にすごく大好きな内容で、想像する事こそが、その人の声質そのものであると僕は考えています。
この本では、予測パターンを考えるという、将来に対する事前準備として書かれていますが、そうした思考を楽しむという事自体が人の生き方であり、その人のモチベーションの源であることがよくわかります。
評価
★★★☆☆
事前の期待が高かった分中間の点数になってしまいましたが、読んで損をしたとは思わない書籍でした。
ただ、無料セミナーやブログでも得られる内容だったことは否めませんね。
内容自体は共感できる事が多く、改めて認識できたということもあり、自分の思考を再確認するには悪くないかもしれません。
そもそも、過去の天才のジャッジは確かに正解であったことが多いのですが、それらはあくまで結果論であり、どっちが正解という話をするのはナンセンスであり、きっと天才が全く逆の選択をしていても、別の成功が生まれたかもしれませんね。
重要な事は、大きな選択は小さな選択の積み重ねの結果になるという事ではないでしょうか?
大きな選択で明らかに間違っても、細かな修正をして結果的に成功になれば、間違った選択も成功になりえるということです。
日本人は周囲の人と同じ事をすることが安心につながる思考性がありますが、他人と全く違う感覚を持っている方が世の中ではいい場合が多いというのがこの本を通じてよく理解できました。
行列に並ぶことが嫌いな人も多いと思いますが、きっと天才は並ばないと達成できない事があったとしたら、「並ばずにできることを考える」という思考になるんでしょうね。