[Book] 「UXの時代」を読んでからの気付き

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UXと聞くとエンジニアである僕はインターフェイスを通したシステムフローなどと考えがちで、どうしても「UI/UX」という印象が強いのですが、この書籍では、ビジネスフローや、サービスを通してユーザー体験することなどのUXについて書かれており、本来の意味でのUXとして書かれてあり、その視点での色々な気付きを与えてくれました。
 

2016年に出版された書籍ですが、今現在でも読んで色あせない内容になっており、これからビジネス・サービスを立ち上げたいという方や、プロダクトアウトやマーケットインに拘って商品開発や研究を行っている人に、今どきの思考であるUXという視点を自分で見つけることが学習できるので、そうした人に向けてオススメします。
 

評価

★★★★☆

 

個人的に少し難し目に書かれている節が多く、スピードの上げにくい書籍になっています。
 

じっくり読み込むと書いてある内容は非常に参考になるものが多いのでゆっくり集中して読まれることをオススメします。

内容ピックアップ

現代社会は、資本主義社会から「シェアリングエコノミー」「フリー・エコノミー」という時代ですが、インターネット社会という時代になってそれまでの固定概念が180度変わってしまったことも多々あります。
 

それまでは、モノに対して価値が存在していたのに、インターネットという仮想のデジタルに蓄積されていくデータに対して価値が大きく存在するようになってきました。
 

物の価値が下がってデフレ状態になっても、インターネットのデータを使った商売は好調の一途です。
※全てのサービスというわけではありませんが・・・
 

サービスの概念を変えた代表的なビジネスとして「ウーバー」と「Airbnb」が度々取り上げられますが、この書籍でも、同じくこうしたデジタル時代の改革とも言えるサービスについて独自の視点で解説されています。
 

また、ビジネスモデルとして一般客商売である「B2C」モデルやビジネスツール商売の「B2B」ではなく、これからは「P2P」(ピア2ピア)という、ユーザー同士のビジネスモデルが広がりつつあるという事が紹介されています。
 

「P2P」は「C2C」とも言われており、フリーマーケットを考えるとわかりやすいと思います。
 

個人が別の個人に対してモノや価値を提供することで収入を得ることができ、副業として成り立っている人もいるぐらいです。
 

企業はこうしたユーザー同士をつなげることにより、そのユーザーの行動履歴ややり取りの履歴を分析したりAI解析を行なうことで、レコメンドに繋げたり、そうしたデータを独自のサービスに役立てたいという企業に販売をするという、デジタルでない時代では想像すら出来なかったビジネスモデルになっているようです。
 

UXという視点は、こうしたP2Pというビジネスにとって、非常に重要なインターフェイスデザインであり、こうしたデザインがイケてるイケてないというユーザーの感覚次第でそのサービス(ビジネス)が成功する、成功しないという分かれ目になっているという事が明確に書かれています。

革命に伴う変革

これまでのビジネスの形態がガラッと変わるということは、全てのサービスに言えることは、利用するユーザーは「便利」になるという事ですが、これまで同じ業界でサービス提供してきた企業側では、下剋上が発生したり、ユーザーに対するアプローチが全く変わってしまう事態が発生してしまいます。
 

1つの企業が10年後に存続している可能性は「6%」で20年後になると「0.4%」と言われています。
 

要するに殆どの会社が20年以上も存続できないという割合なのですが、ここで生き残る企業の特徴という事がこの書籍に書かれていました。
 

それは老舗という言葉を大事にして、頑なに自社サービスをプロダクトアウトで提供し続けていく会社は、ソッコーで時代の波に潰されてしまう可能性が高いでしょう。
 

生き残る可能性の高い会社は、「新たなモデルに取り組んでいくしかない」と書かれているのですが、その次代に合ったサービス提供方法を模索し、自社に適合させていく事で、時代に合った会社として時代に合わせていくしかないと言い切っています。
 

もちろん、そうした事は重要であると思いますが、この言い切りは、老舗会社を全否定しているようにも聞こえるのですが、恐らく100年以上続いている会社やサービスなどは、その次代に合わせて内部で色々な改革を行ってきたに違いない事が分かると、あながち言い切ってもいいのかもしれないと考えるようになりましたね。

モビリティサービス

著者の松島さんという方が、体験した、モビリティサービス立ち上げの日本の自治体の対応や、法律の融通の効かなさなどが細かく書かれており、先日ブログに書いたTOYOTAのモビリティサービスを思い出しました。
 

TOYOTAのモビリティシステムに激しく共感した


 

TOYOTAはAI自動運転を軸にした新たなモビリティサービスを生み出そうと今現在も活動しているようですが、松島さんは、何年も前に、こうしたサービスを実現しており、知財も含め立ち上げた経緯は、ビジネス構築をする時の非常に参考になることが書かれてたので、個人的に非常に勉強になりました。
 

モビリティサービスではないですが、自社で運用している倉庫の二次活用として、空いている倉庫スペースをフットサルコートとして貸出を行なうというアイデアが、非常に時代とマッチしていて良いビジネス展開が考えられたのに、地元の自治体に利用申請を行う際に、2種類の利用申請を同時に行なうことが出来ず、都度切替申請を行ってほしいと言われ、そんな事は運用できる次元の話ではなく、スタートでぶち当たった壁に非常に苦労された内容が書かれています。
 

他の事でも経験された人もおおいのではないかと思いますが、お役所仕事として、「前例の無いものは承諾できない」「法律で定められていないものは、定められるまで承認できない」という当たり前にも聞こえるけど、融通が聞かないお役所ならではの仕事っぷりに業を煮やした著者の方の憤りが敬意を含めて書かれていて、これからの変革の時代にこうした事は増大することがこの本を通して手に取るように分かりました。
 

最後に

UXという視点は、時代背景に自分の会社や立ち位置がどのように反映されているかというポジショニングを理解すると同時に、自分に対して新たな気付きを与えてくれる重要な要素であることが分かりました。
 

自分の事に気が付かずにノウノウと生きて、周囲の人から不名誉なレッテルを貼られている裸の王様にはなりたくないですからね。
 

周囲との人間構成にとっても非常に重要な要素であることを気づかせてくれた本でもありました。

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