雑用のできる従業員のいる会社といない会社

2017年1月19日

ビジネス 仕事 日記

会社で仕事をしていくと、管理職という方向性と専門性を追求する技術者の方向性を決めていく必要がある。 管理職系は「ゼネラリスト」として、課長や部長などのように部下を持ち、組織を率いるポジションだが、専門性は「スペシャリスト」として会社の中での作業員としての重鎮になっていく方向性だ。 この2つをミックスしたプレイングマネージャーというスタイルもあるが、どれが正解かという答えは無い。 強いていうならば、自分がどのタイプなのかを理解することが重要である事がわかる。

ゼネラリストはプレイングマネージャーになりがち

多くの会社で、プレイングマネージャーが仕事の種類が多岐にわたり、部下に対してマネジメントが十分に行き渡らないという観点から あまりよろしくないと判断されがちであるが、実はマネジメント専門での上司を持った部下の意見として 「仕事の悩みを上司に相談しても仕事内容のスペシャリスト性が乏しいので上司という感覚があまりない」 という若手が少なくないようだ。 これは、上司は仕事もプライベートも全てにおいて上回っていてほしいという縦社会を求めているように思われる。 実際には、そうした関係性でなくても上手く運営できている組織も多いと思うが、IT系のエンジニアは、この上司思考が非常に強いという事は、長年身をおいている僕も感じています。

上司のあり方

それでは、上司はどのようにすればいいかというと、ITエンジニアを部下に持つ上司は部下のやっている内容を理解できるだけの技術スキルは身につける必要があります。 部下がスペシャリストである場合はどうだろう? 上司も理解できないスキルを保持しているメンバーを管理することは可能なのだろうか? 上記がまかり通るとすると、社長は会社の全ての業務のスペシャリストでなければならなくなるので、企業が小さい状態であればまだしも、大きくなるとそんな事は不可能だと言い切れます。 とすると、ゼネラリストはスペシャリストにならなくていいということではなく、少なくても一般的な技術水準を上回っている必要はあると思うので、 この辺の価値観が部下と上司ですり合わせができている組織がうまく回っているのではないでしょうか?

スペシャリストの注意点

営業も開発も経理も総務も、どの部門においてもスペシャリストという業務は存在します。 電卓を打ち込む事務作業をしている人でも、他の人に比べてとてつもなく高速にかつ正確にタイピングできるような人は、非常に生産性も高くスペシャリストであると言えるでしょう。 ただし、スペシャリストという職能は単一の仕事の専門性で会社に評価されているので
「その仕事だけやっていれば会社に貢献している」
と勘違いしがちであることがある事を認識しておきましょう。 そして、この思想の先には
「この仕事以外は自分がやるべき仕事ではない」
と考える傾向が多くの人にあるので、会社という組織において、こうした思考にならない工夫が必要です。

思考の暴走は会社の価値観

スペシャリストの思考が、自分の仕事を自分で判断して、セクショナリズムになりがちであるとすると、 その会社は、成長をすればするほどセクショナリズムが社内に浸透していく結果になるでしょう。 実際に上場会社を数社経験してきた僕も、比較的小さな会社が「大企業病」になる場面をいくつも観てきました。

大企業病とは

ここで言う「大企業病」というのはベンチャー企業が売り上げなどの目標達成をクリアした際に、 会社のステージが上がり従業員のモチベーションも企業が大きくなったと考え、人が増え、部門が作業によって細かく分けられ、 それぞれの部門に管理者が設置される企業の成長において、自部門が上手く行かない事は他部門の作業に責任転嫁するような思考の事を言う。 他にも、小さな会社のはずなのに、「大手のやり方が絶対に良い」と思い込み、そのように出来ないのは会社が悪い、経営が悪い、他の部門が悪い、特定の人が悪い・・・ などのような自分以外の批判を行うようになり、結果的に会社の成長を阻害することになる事を言います。

悪い暴走を止めるためには

大企業病もそうですが、社内派閥であったり、中間管理職の会社経営に関する納得感のない状態で、 社内の見えないところに不平不満が蔓延する状態など、負の暴走は放っておくとドンドン加速してきます。 こうした暴走はいち早く察知し、防止策を練らないと企業は内部から崩壊する方向になりがちです。

暴走防止の方策

・従業員に企業理念の浸透を行う ・中間管理職が経営メンバーと一般従業員とのパイプ役を担えるように各種共有 ・従業員のモチベーションアップを行う
これらの従業員教育などは、コンサルティング会社などが得意な分野で、色々なワークを用いて従業員教育を行う方法がありますが、 実はこれらの方策ってなかなか従業員にささらないんですよね。 個人的には、負のオーラを社内に感じた時に、全社一括して会社に不満のある人を選出して思い切った入れ替えなどを行うのがもしかすると一番いいのかもしれないと思います。 ただし、こうした時に真っ先に会社を離れるのは、会社で一番業績の良いメンバーで有ることも理解しましょう。 ようするに、一から従業員体制を立て直すという事ですね。

企業の暴走を判断する方法

負の暴走が起きることを怖がっている経営者では会社の業績アップなどとても願いないでしょう。 企業のこうした指標を簡単に見つける方法があります。 それは・・・
従業員が進んで雑用を行っているかどうか?
という事です。 飲み会を開く時に、毎回同じ人が幹事をしているような会社であれば、おそらくは雑用を進んでやっている従業員は少ないでしょう。 また、社内ボランティアを計画した時に、批判的な意見が出がちなのも雑用が苦手なメンバーが多い会社でしょう。 「イイネ」の多い会社は従業員の不満率も少ないという企業調査結果もあるので、僕はこの「雑用」というキーワードで組織を見るようにしています。 冒頭に書いたスペシャリストは雑用をやりたがらなくなります。
・雑用は新人にやらせる ・上司は部下に命令をするだけ
会社では、役職やスペシャリストというポジションについたら、新入社員よりもよりスキルアップを求められるのですが、役職者になった人はそこであぐらをかいてしまう人が少なくないようです。 是非スペシャリストや新たに役職者になった人、またはそういう方向性を目指している人達に対して
自ら雑用作業に手を挙げて行う人間性教育
という事を教えてあげましょう。 会社の雰囲気やセクショナリズムも次第に和らいでくるかもしれませんよ。

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