薬局業界から知る、今どきのIoTと、一向に進まない日本のローテク管理

2019年12月5日

テクノロジー

最近、自宅で映画を見ていると、どうしても見ている途中で寝落ちしてしまう事が悩みの下駄です。 原因は、運動のしすぎで疲れているという事は分かっているんですが、AppleWatchの運動しろ命令の呪縛からもはや逃れることができなくなって、嫌ではないんですが、改めて生活改善を考えている状態です。 そんな中、久しぶりにとある知り合いの色々な経営をされている年配の方から、お誘いいただいて、お茶してきたんですが、その方は医療関連の仕事をされていて、最近では全国に数多く展開している薬局チェーンの経営本部から色々な業務改善をお願いされているとのことでした。 その中でいくつか気になる内容があったので、エンジニア視点での考えをまとめて見たいと思います。

薬局(医療現場)の現実

基本的に業務改善を行う際にまず思い浮かぶのはIoTというキーワードなのですが、お薬手帳もスマホを使ったデジタル化がされているけど、数年前の資料ですが、まだまだ過半数にも満たない利用率の現状なのだそうです。 6割超えお薬手帳の所有率でも、活用層は全体の約3割に留まる 電子版お薬手帳の現状と課題 そもそも、一番利用率の高い高齢者世代がスマートフォンを所持している率事態が低いのだそうですね。 こうした一般利用者の側は、もしかしたら携帯電話がガラケーを廃止して、スマホのみという時代がくれば、利用率は増えるかもしれません。 また一方で、薬局の裏側で、大量にある薬の在庫管理が行き届いておらず、非常に細かな錠剤の棚卸しなどをITを使って出来ないかを検討しているとの話を伺うことができました。 他にも、薬局の話ではないですが、医療現場における、健康診断などの採血した血液を個別判別する手段が未だに手書きでされており、それを判別するのが人が目で見て確認してそれをさらにチェックするという、ミスを防止する為の多重チェックでかなりの時間を有しているとの事です。 さらに、未だに医師が処方箋を手書きしてそれを薬局で薬剤師がパソコンにタイピングし直しているという現状もかなりの割合で存在するらしく、医師と同じ学習過程の薬剤師がなんとなく医者の業務サポートを行っているという現状に辟易としている薬剤師も少なくないのだそうです。 医療現場に限らず、色々な職場で「働き方改革」と発信し続けられていますが、多くの企業で取られている対策は「残業を減らす」という事のみに執着し、サービス残業は増えるし、無駄な契約書、申請書など書類は増えるという、悪循環が生まれているという声は色々な箇所から聞く機会が多いです。 働き方改革は「改革」というぐらいなので、仕事のやり方を180度変更するぐらいの思考を持たなければダメでしょうね。

エンジニアが考える働き方改革

もちろんIoTやデジタイズ化する事なのですが、薬局の話で気になったのが、薬剤の在庫管理ですね。 薬局に行くと、受付からガラス張りの事務所内の様子が見れるところも多く、その中に並んでいる小箱が並んだような棚の事だろうと、容易に想像できますね。 安易に考えられるのは、重さを測るセンサーと連動させて、自動計測するという方法です。 しかし、薬局に並ぶ薬の送料全ての重さを計測するセンサーを搭載するには、相当な初期投資が必要になるため、IoTで良く問題になる、技術的にはできるが、お金がかかりすぎる問題が発生していしまうでしょう。 ここで求められるのは、全国の薬局が導入しやすくするという視点も重要になるため、コストを極限まで抑えられる(または、今現在の人員工数が削減できるコストと同等ぐらい)程度でないと、間違いなく企画倒れになってしまう事は否めません。 受け渡しした薬の数を計算して、理論値としての在庫数を算出するという方法です。 これなら初期投資をしなくても算出はできるので、元々の在庫が棚卸しされていることが大前提ですが、デジタル棚卸しは行うことができるでしょう。 しかし、現場の曖昧な消費量などを考えると(薬局で曖昧な消費などありえるのか???)在庫棚卸しが機械的にできなければいけないという声も想像できます。 よく考えると、薬って重さを測るだけで在庫管理ができると思っていたんですが、オブラートのような限り無く1個あたりの重さが計測判定不可能レベルなものもあり、形態によって在庫管理方法が違ってくる事に気が付きました。 ふと思い浮かんだのが、AmazonGoのように、店舗内の至る所にカメラ設置をしておいて、画像判定でどのくらい商品を消費したか(チョイスしたか)をAI的に判別するという手法も考えられます。 まだ実証実験中だし、この方法は開発工数が膨大に膨らみそうですね。カメラ設置もかなりの初期投資になりそうだし・・・ そう考えると、理論値算出をする方法が今の所最善策のように考えられますね。 待てよ・・・それには、医者が手書きの処方箋を書いている現状をなんとかするか、その手書きを画像認識するか、その辺の対策も必要になりそうだな。

IT改革における不満について

こうした現在効率を仕組みを作って改善しようとする時に、必ずと行っていいほど、「これまでのやり方が良い」とダダをこねる派が存在します。 これは、過去にビジネス提案や、社内情報システムによる作業デジタル化などを経験してきた僕が感じている意見と世間の改革派の人が感じている不満点と同じだと思いますが、 今現在の人手を使って行っている作業では、ミスも起こり得るし、数をこなすのが難しい、作業員が風邪をひいて休んだ時のリスク、作業員のメンタルに依存して一定作業量での進行が難しい、作業員の文句が多い・・・ などを解決するために、機械化したほうが、全ての事象が解決されるという事。 ここでまず、作業員が自分の仕事を奪われると考えて反発するのはよく分かるが、作業事情を考えると、作業員としてではなく、別の作業をやるという事での社内効率化に納得をしてもらう他無い。 もし、その仕事しかできないという意固地な方であった場合は、会社として使いづらい従業員という認定をせざるを得ないのだが・・・ そしてもっとも問題なのが、この作業をプロジェクトで進めているメンバー内から、出てきた提案に対してイチャモンが入る場合です。 おそらくこうした場合、文句を言い出す人は、その解決案を提案すること無く単に問題点の指摘と、不満をぶつけるだけの生産性の無い意見になっていることが多く、 結果的に、改革プロジェクトはシュリンクしていく方向になる事が多いのが現状です。 一番の実行影響力のある会社社長や、責任者の人は、こうした不満点、問題点がひとつでもあると、遂行できないという思考の人も多く、トライアンドエラーで進めるという事ができない以上、こうした改革は進まないのがいま世の中でよくある風景でしょうね。 そういった不満点をひとつでも無くせるように、仕組み構築をする必要があるのは重々承知なのですがね・・・

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