人と比較して感じる満足感はすぐに不満に変わる

2019年8月2日

学習

受験する時に、指導してくれる先生達から、「競争社会に勝て!」と言われて、それほどピンと来ておらず、結局受験に対してはあまりいい思い出が無い人も多いのではないでしょうか? 確かに、社会はあらゆる競争で勝ち上がっていき、企業は売上を上げ、求職者はより良い採用を勝ち取って行く必要があります。 学生時代の運動会では確実に徒競走が行われ、スポーツにおいては金メダルを勝ち取る思考、○1グランプリなるガチンコトーナメントなど、確かに1等になった暁には人生が変わる事もある競争社会なのですが、それをビジネスマネジメントや、色々な教育に活用する動きがありますが、果たして競争意欲はそこまでスキルアップに役立つのでしょうか?

満足感はすぐに不満に変わる?!

人の心理において、競争をして勝つことのよる満足度は、すぐに真逆の「不満」に変わってしまうという事が言われています。 僕の以前勤めていた企業では、毎年新卒生を数人採用して、その新人達を育成して企業内の若い人によるビジネスの活性化を狙っていました。 新人のみんなは誰もがモチベーションが高く、ギラギラしていて採用ポイントなどでのペルソナどおりの人物だったのですが、僕の記憶ではその誰もが、「同期の誰よりもスキル向上して、より優良な人材に育ちたい!」と決意表明する人が多く、結果非常に優秀な人が多かったのですが、反面巣立っていくスパンが非常に短いという特性もありました。 なかなか独自では勉強しづらいB2BにおけるWEBマーケティングという特殊な領域の仕事だったんですが、ITが苦手な人が多い中、面白がってパソコンを触り、デジタルマーケティングを学習していた新人達は、めちゃくちゃおもしろかったに違い有りません。 僕もエンジニア領域でそうしたデジタルビジネスを創り出す担当でしたが、これほど面白かった学習期間もないぐらい楽しいひと時でした。 しかし、3年以内にほとんどのメンバーが辞めていく実態に、対象の人に話を聞いてみると、「この会社でこれ以上覚えることが無い」という意見がほとんどでした。 同僚との比較競争をやらされ、その人にしかできない領域を見つけたものは比較的定着率が高かったのですが、そうではなくひたすら周囲と比較をされていたメンバーは、先が見えなくなってきたんでしょうね。 よくある営業の業績表などがそれにあたるようです。 たしかに、企業内で競争施策を行ってみると、間違いなく、競争上位の人しか満足感を持てず、毎月行っている場合に、次第に上位の人は固定化されてくることから、実は不満な人が増える施策であると考えられます。 さらに、上位の人も満足感から「当たり前感」に変わって、心理的に優位に働く事は無いという味方もあります。 人参をぶらさげる事を定例化するとどうやらモチベーション維持には繋がらなくなるようですね。

マネジメントで使える満足感

人が満足感を感じるポイントは、多くが他人との比較で自分の優位を感じた時に得られる感覚です。 美味しいものを食べた時の満足感は、普段食べない食材であったり、他の人ではなかなか食べられないという優越感が満足感として脳が感じる感覚であり、 ゲームでクリア出来たときも、コンピュータに勝利したという満足感、またはネット先にいる別のプレイヤーに勝利した優越感によるものです。 人の満足感というのは、他人との比較により得られるものがほとんどで、周囲の人と比較してそれよりも上である優越感が最も簡単に得られる満足感であることもわかります。 ただ、こうした満足感は、悪い印象を保つ必要は無く、人として当たり前の感覚なので、オーバーに人に伝えなければ、何の問題もない状態だと考えましょう。 こうした満足感のネガティブポイントは、他人に知られた時に、少し我の強い人と捉えられてしまうことがあるので、改めて自己満足の留めておかないと、他人からは疎まれてしまう結果になってしまいます。 人のマネジメントを行う際や、自分の子供を教育する際に使える満足感コントロールがあります。 それは、満足した人同士は相乗効果が生まれることがあるという事です。 一方が不満な状態の時に、満足感を伝えると、不満である人は満足自慢をされて、皮肉を感じてしまう傾向がありますが、お互いに満足している人が向き合うと、より満足感が増します。 ここからマネジメントにどのように使うかと言うと、それぞれを競争させて一位だけが満足を得られる環境をつくるのではなく、参加する全ての人が満足を感じるような施策を行うことで、多くの人に満足感が得られる環境を作ることができます。 小学生の時に「○○だったで賞」という賞状をもらった経験がある人も多いと思いますが、あれと全く同じ施策です。 子どもじみた施策と考えるか、社会人でも十分に使えるかは、マネージャー自身で判断してみましょう。

得られた満足感を維持するために

最後に、満足感は他人と比較して得られる優越感が多いのも事実ですが、自分で自分に対して得られる満足感もあります。 ストイックなアスリートに多い「昨日の自分に勝つ」という他人を介さない優越感を自分自身で得ることができるようになると、枯れることのない満足感を将来的にずっと得ることが可能になります。 何より、だれも傷つけない上、自分自身でどんどんスキルを向上させていくことが可能になります。 この感覚を持っておらず、他人との競争に勤しんでいる人は、やはりスキルアップのスピードも遅いのかもしれませんね。 自分に対して不満を持つのであれば、それを満足に変えてみる自己努力が必要という思考、理解できますか?

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