[BOOK] 帝王学 - 貞観政要の読み方

2018年4月12日

レビュー

タイトルは知っていたが読んだことが無かった「帝王学」を文庫本で買って読んで見ました。 恥ずかしながら、この本についてはタイトル以外は知識を持っていなかったのですが、会社経営者、人事部門、マネジメントを行う人などは、確かに読んでおいた方が良さそうな本であることは、よく分かりました。 そして、この本全体に出てくる「貞観政要」という意味を理解する事がひとつの目的になっているようです。 タイトルにはその「読み方」ともありますね。それも重要!

内容

ひとまず、「貞観政要」をググって見ました。当然ながらwikipediaが引っかかりましたね。「じょうがんせいよう」と読むそうです。 貞観政要 | wikipedia 意味としては、唐の時代の国の法律の元になった資料のようであり、日本の法律などもこの書物にかなり影響されたそうです。すごいですね。 「帝王学」ってその名の通り、国の長の思想論のような感じを持っていて、てっきり西洋文化なのかと思ったら、思いっきり中国の群雄割拠時代の政治論でありました。 内容は最近で置き換えると、会社内の人事として十分に納得感のある内容にもなっており、これを経営学として捉えてる思考も確かに分かります。 中に書かれている人を見極める「六正六邪」というチェックリストは非常に参考になりましたね。 こうした内容を知っている経営者と知らない経営者では、歴史の重みを知っているかどうかという差が生まれる事がよく理解できましたよ。

六正六邪

一正

聖臣: きざしがまだ動かず、兆候もまた明確ではないのに、そこに明らかに存亡の危機を見て、それを未然に封じて、主人を、超然として尊栄の地位に立たせる。

二正

良臣: とらわれぬ、わだかまりなき心で、善い行いの道に精通し、主人に礼と義を勉めさせ、すぐれた計りごとを進言し、主人の美点をのばし、欠点を正しく救う。

三正

忠臣: 朝は早く起き、夜は遅く寝て勤めに精励し、賢者の登用を進めることを怠らず、昔の立派な行いを説いて主人をはげます。

四正

知臣: 事の成功・失敗を正確に予知し、早く危険を防いで救い、くいちがいを調整してその原因を除き、禍を転じて福として主人に心配させないようにする。

五正

貞臣: 節度を守り、法を尊重し、高給は辞退し、賜物は人に預かり、生活は節倹を旨とする。

六正

直臣: 国家が混乱したとき、へつらわずにあえて峻厳な主人の顔をおかし、面前でその過失を述べて諌(いさ)める。

一邪

見臣: 官職に安住して高給をむさぼるだけで、公務に精通せずに世俗に無批判に順応し、ただただ周囲の情勢を伺っている。

二邪

諛臣(ゆ): 主人のいうことにはみな「結構なことです」と言い、その行いはすべて「ご立派です」と言い、密かに主人の好きなことを突きとめてこれをすすめ、見るもの聞くものすべて善い気持ちにさせ、やたら迎合して主人と共にただ楽しんで後害を考えない。

三邪

姦臣(かん): 本心は陰険邪悪なのに外面は小心で謹厳、口が上手で一見温和、善者や賢者をねたみ嫌い、自分が推挙したい者は長所を誇張して短所を隠し、失脚させたいと思う者は短所を誇張して長所を隠し、賞罰が当たらず、命令が実行されないようにしてしまう。

四邪

讒臣(ざん): その知恵は自分の非をごまかすに十分であり、その弁舌は自分の主張を通すに十分であり、家の中では骨肉を離間させ、朝廷ではもめごとを作り出す。

五邪

賊臣: 権勢を思うがままにし、詩文に都合の良いように基準を定め、自分中心の派閥をつくって自分を富ませ、勝手に主人の命令を曲げ、それによって自分の地位や名誉を高める。

六邪

亡国の臣: 佞邪(ねいじゃ)をもって主人にへつらい、主人を不義に陥れ、仲間同士でぐるになって主人の目をくらまし、黒白を一緒にし、是非の区別をなくし、主人の悪を国中に広め、四方の国々まで聞こえさせる。

評価

★★★★☆
個人的な感想で申し訳ないが、「漢字が難しい!」 読み方もわからなければ、意味もわからない箇所が多く、薄い文庫本なのに、非常に時間が掛かってしまった。 後ほど自分で気になる点を書きまとめたところ、その漢字の意味も理解できると、より楽しめる内容であることが分かった。 改めて学が足りない自分に気がついた読書でしたね。 でも、内容にはかなり満足できました。

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