最大の効率化は完全な属人化

2016年12月16日

マインド 学習 効率化

会社のみんなで「効率化を追求する」という目標を掲げている組織は少なくないと思います。 そして、エンジニアにおける効率化って何なのか答えを持っている人は少ないのも現実です。 そもそも効率化ってイノベーションという目的の前では無意味だという意見も少なくないと思います。

効率化の目的

効率化を行う工程を考えた時に以下のようなフローが浮かぶと思います。
効率化 -> 経費削減 -> 無駄を無くす
これを見ると効率化をすると、無駄が無くなり、会社のコスト削減が行われるように見えますが、果たしてそうなのでしょうか? 工場生産のような一定作業においては、上記のフローが当てはまりますが、アイデアを生み出すようなクリエータの場合は、手を動かす作業は効率化を追求してもいいが、アイデアをひねり出す作業は、効率化は当てはめては行けない領域のようにも思えます。 一方的な意見で効率化といっている経営者や上司がいたら、効率化の具体例を聞いてみましょう。 具体例のない「効率化」は非常に危険であると判断してもいいかもしれませんね。

人は毎日繰り返す生き物

RPAは効率化を行う仕組みづくりという記事を書いたので、見てもらいたいんです。 RPAのもたらす未来 自分のルーティンワークをちゃんと理解できている人は、効率化を行う事は容易い作業だと思いますが、 多くの人が自分が毎日繰り返し行っている作業をキチンと認識していない場合も多いのです。 寝る前に歯を磨く行為を無意識に行っている人もいるし、お風呂も食事もトイレも昨日、何時にどういう詳細であったかを忘れている人も多いはずです。 全て覚えている必要もないので、あくまで例えなんですが、それだけ人はルーティン作業を繰り返す事で安心感を得る生き物という事を理解しましょう。 どういうことかというと、毎日違う作業をすると人は不安になります。 そして、明日どういう作業が待っているかわからない状態では、前の晩の夜は眠れないほどストレスに苛まれてしまうでしょう。 逆に、明日の作業は今日やった作業とほぼ同じであれば、安心感を覚えると思います。 という事は人は、ルーティンワークをする事で安心感を得て、ルーティンワークでない仕事はストレスが貯まるという事なのでしょう。 そして、まさに現代はルーティンワークを機械に置き換えて人は、ルーティンワークでない作業を行う方向にあります。 こうした流れに潰されないようにしっかり自分を磨くことが必要だと思いませんか?

効率のいい人は属人化する傾向

ベンチャー企業が少人数でスタートすると、開発や製造工程は少人数(一人というケースも多いハズ)で行うため、大企業の製造工程のようなドキュメントも無いし、しっかりした品質管理や、チェック体制、運用体制などが整備できていない事も多いです。 でも、少人数でしっかり利益も伸ばし大きくなっていく会社は少なくありません。 少なくてもどの組織でも、そうした少人数体制のモチベーションは極めて高く保てるはずです。 何故なら自分の役割がかなり明確で、責任感も十分に持てている事が多いからです。 残念なことに、組織が大きくなると、こうした役割分担が細分化され、細かなセグメンテーションが発生し、多くの人が「それは自分の仕事ではありません」というセリフが多く発せられるようになります。 こうなっている企業は一度セグメンテーションを取っ払い、上流から下流の工程を少人数で構成する組織構造に切り戻す必要があります。 残念な企業はここで、組織を立て直してくれる人を採用しようとしますが、イケている企業は社内でこうした体制の立て直しを提案して実施します。 間違えてもコンサル会社など入れないようにしましょうね。

属人化は悪いことではないのでは?

企業が組織を整えようとする時に「属人化している組織をナレッジ共有が行き届くフラットな組織にする」事を目的にしがちですが、はたして属人化ってそんなに悪いことなんでしょうか?
社内でその人しか作業できない領域がある。 他の人が作業できないので、別の人のスキルが上がらない その人を中心に作業重体が発生して、作業分担を行いたい
属人化を解消したいと言っている背景にはこのような理由があると思われますが、どれも属人化している事が問題ではなく、属人化している人をうまく活用できていないだけのマネジメントの問題である事に気がついていないようにも思えます。 属人化した組織はその人を活用して、周囲の人はその人が教えないから伸びないのではなく、周囲の人がスペシャリストの人から技術を盗むという体制を組めば自ずと属人化の人の手を止めなくても人が育つ環境は作られます。 属人化している人は極めて効率の良い作業を行えていることが多く、スペシャリストとして軍を抜いて成果を出せている事ではないかと想像できます。 理想としては、セクションごとにこうしたキーマンと言えるような人が置かれていて属人化している事ではないでしょうか? この属人化を複製するマネジメントが行えるのであれば、組織の効率化は問題なく行われるという事のように思えます。 決して属人化しているスペシャリストに「後輩を育成する」という目標を与えるのではなく、後輩に「上司の背中を見て育て」という体制が望ましい姿でしょう。 スペシャリストの人が自ら教育する姿勢が出ればその組織は伸びる事間違いないはずです。

個人として考えるべきこと

組織視点で記事を書いてきましたが、会社の経営に携わっていない人はどのようにすればいいでしょうか? 会社や上司から「効率化すること」と命令されると、やらざるを得ないし、「属人化を無くすように」と言われるとそうするしかないのでしょうか? 少なくとも、こうした指揮命令は上から下ってくるモノですが、自分の周囲に属人化している人がいればその人の技を盗むことを考えればいいと思います。 この盗みは法にも触れないし、警察にも捕まらないし、盗む技術内容にもよりますが、基本的には倫理的にも問題ないです。 そして、盗んだ暁には自分のスキルが上がり、会社も効率のいい従業員が増えて大助かりという、いい事だらけです。 また、周囲に属人化されている人がいない場合、是非自分がそうなるように頑張ってみましょう。 そうなりたくないと考える人はこのブログの思考は合わないようなのであしからず。

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